お前も茶漬けにしてやろうか!-茶柱の人生丸茶漬け-

見た作品のその時々の感想置き場

『ウルトラマンブレーザー』特報を見て

4月21日に新番組『ウルトラマンブレーザー』の特報と監督・主演俳優のインタビュー動画が公開された。これまでのウルトラマンを連想させる要素も多いが、総体としては新しいものに見えてかなり期待が持てる。何より『エックス』『オーブ』『Z』と傑作続きで、私も大ファンの田口清隆監督作品ということで今から楽しみで仕方がない。

現時点の情報だけでも面白そうな要素が満載なので、書き出してみようと思う。

温故知新を感じるが、明らかに異質なデザイン

スーツのデザインは今までにないタイプで個人的にもかなり好み。全体としてはアシンメトリーだが、よく見れば銀色の肉体(便宜上、以下「素体」と呼称)は左右対称で、非対称なのは結晶体及びラインのみ。これらはそれぞれ根本的に違うものなのではないかと私は考えている。

素体は黒いスーツ状の部分を銀色の筋肉・鱗のようなものが覆っているようで、起伏があり硬質に見える。素体だけならザ・ネクストやノアにかなり近い。

目付きはかなり鋭く、目元に皺まであってかなり強面。トサカも流線形で鋭利なもので、攻撃的・野性的な印象を受ける。

身体の主に左半分に広がるラインは赤と青の二色が絡み合ったようなもので、動脈と静脈を思わせる。必殺技の説明にある「二重らせん」という言葉を見るに遺伝子のイメージもあるらしい。注目したいのはこのラインがこのラインが素体の起伏に沿うのではなく跨ぐように流れていること。また結晶体は目元からあふれ出すように伸びており、同じく結晶体を組み込んだデザインのギンガやビクトリーと違い異物感がある。

ラインと結晶体、どちらもかなり不自然でまるで素体を侵食、あるいは束縛しているかのようだ(NARUTOの呪印のイメージ)。昨年の『デッカー』のスフィアを宿したアガムスのイメージに引っ張られてる節はあるが。

人間とはかけ離れた、神秘的かつ野性的なアクション

登場シーンらしき映像ではヨガのようなポーズを取っていた。『コスモス』の太極拳を思い出す。身をかがめる動きが『ガイア』のフォトンエッジっぽい、というのは流石に考えすぎかな。

格闘戦は、大きく身体をひねった飛び蹴りを始めとして荒々しさを感じる。声も掛け声というよりは唸り声ジード以上に獣っぽい。人間とは違う生物であることを強調してる点では、『シン・ウルトラマン』とはまた違ったアプローチでいい。

必殺技は光の槍を投擲する「スパイラルバレード」とのことだが、インタビューによると使い方にかなりバリエーションがあるよう。『エックス』のザナディウム光線の再来か。

あと田口監督はこれまでの作品でスペシウム光線系をかなり大切にしてくれているので、それがないことにつては別に心配してない。強化形態でやってくれると確信している。

理想の変身アイテム

変身アイテムの「ブレーザーブレス」はめちゃくちゃ好み。

まず個人的に、メカメカしいものよりも、スパークレンスやエボルトラスターのような神秘的な石っぽいやつが好きなので今回のはストライクど真ん中。

ギミックに関して、回転を意識したアイテムにはルーブジャイロの前例があるが、今回はモロに仮面ライダーっぽい回転、というかドライブドライバーそのもの。

ドライブドライバーはギミックが大変魅力的ながら、ベルトさんのキャラクター付けやブレスレットとの赤外線通信を不要に感じ、キャラクターとしてもチェイサーが好きだったため購入を見送っていた自分にとってブレーザーブレスはまさに求めていた玩具といっても過言ではない。ありがとうございます。

コレクションアイテムのブレーザーストーンは円形にウルトラマンの横顔と、ウルトラメダルに類似する部分が多い。設定上も関係してきたりするのかしら。

歴代ウルトラマンの変身遊びを組み込むのは通例化しているが、音声と発光パターンで表現していた昨年までと比べ、今年は個別のアニメーションまで用意されている。しかもキャストボイスが20名分収録されているという豪華さ、もう買わない訳にはいかない。

SF的空気感、大人を主人公としたドラマ

SF的な雰囲気の醸成も良い。ニュージェネも作品によってそれぞれ努力してたけど、作り手が子供番組と舐めてかからず真剣に面白い雰囲気を目指すのはすごく大切なことだと思う。特報冒頭の、主人公が高空から落下している場面と思しき映像がカッコいい。映っているのは地上だが、都市の明かりが星空のようで、まるで天地が逆転しているようで印象的。落下しているのは人間だが、宇宙のような神秘性を地球の都市に見出しているとすればむしろこれは異星人の視点なのではないか?と思わせる。

防衛隊の隊長がウルトラマンに変身するのは、『オーブ』のクレナイ・ガイ、『Z』のヘビクラ隊長の系譜の集大成のようで感慨深い。

中間管理職として、いち個人としての板挟みがドラマの肝になるよう。『仮面ライダー響鬼』の「仕事感」が大好きだったので、少し角度は違うだろうがすごく楽しみ。

特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD」は『Z』のストレイジとあまり違わなそう。ストレイジの頃からだが、「特空機」「特戦獣」みたいな用語は、硬派で難しいかっこよさと、子供への伝わりやすさの折衷にかなり気を遣っているのが伺える。フリガナも振ってるし。

SKaRDの主力兵器「23式特殊戦術機甲獣 アースガロン」は、まさかまさかのオリジナル怪獣。『Z』でセブンガーのアイドルプロデュースに成功した手腕を買われたのか、来るところまで来た感じ。いきなりDX玩具の発売も決まっており、「防衛隊は売れない」ジンクスはどこへやら

デザイン面ではウルトラマンに味方をする怪獣であり、後ろに伸びた角と大きな口、長い首という共通点がある『ティガ』のガーディー、『ガイア』のミズノエノリュウが思い浮かぶ。

まとめ

以上、思ったことをつらつらと書いてみた。見ての通り、期待しかない。

新作発表のたびに前作までのハードルを超えてくる田口監督の引き出しの多さと向上心の高さは本当に人間として尊敬する。ウルトラマン制作陣や視聴者の中であまりに田口監督一強な感じが出過ぎているのは少し不安だが。