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『ウルトラマンブレーザー』第18話「そびえ立つ恐怖」感想

https://x.com/ultraman_series/status/1725663904687444080?s=20

私待望の越監督2周目。越監督らしい面白い画はありつつ、第9話、第10話と比べるとオーソドックスな話でややパンチに欠ける印象だが、二話完結の前編と思えば致し方なし。『デッカー』でのテラフェイザー初登場回を経て、越監督が最終強化エピソードを担当するのはファンとしてなかなか感慨深い。というかメイン監督が強化回を担当しないというのはなかなかイレギュラーなのでは。

どうでもいいけど、今回のサブタイトルは第17話の「恐怖は地底より」と被ってる。イルーゴが地中から現れてることもあり、入れ替えられても気づかないかも。

 

今回登場するイルーゴは光化学スモッグに似たガスを吐き出す「汚染獣」。毒ガスと感染症では随分違うが、市民がマスク姿で街を歩く画がある以上、やはりコロナウイルスを意識していないはずはないよなあ。最後根絶するどころか、さらに強化して復活する質の悪さとかもそうかな。ジュン君の体調不良、ひとまず回復したようだけど次週が心配ね。

イルーゴは上下の区別がない二重の顎がいかにも地球外生物っぽい。それが柱のように地面から突き出すビジュアルの異常さも良い。次回登場のブルードゲバルガの設定を踏まえるとイルーゴが幼虫で、ゲバルガになった個体はおそらく蛹。防御形態が実は蛹、というアイデアはなかなか面白い。ゲバルガのソフビが変形しないのがなおのこと残念、いっそ丸まったゲバルガのソフビを個別に発売して欲しい。

操演怪獣としての動きは面白いけれど、全体としては戦闘時間の短さもあって地味な印象。まあこれは二話完結の前座というのもあって仕方ないのかなと思う。

 

SKaRDの対イルーゴ作戦の裏で、エミはV99の謎を追う。マスクのあるなしだけで離れたところにいるとわかるのが地味に上手い。めっちゃ今更だけどウルトラシリーズの防衛隊で、別行動の多い諜報員キャラって他に思い当たらないな。重要な情報は来週に持ち越しのようだけど、今週の時点では行方不明の父を追い求めるエミと息子がいながら構ってやれないゲントの対比が面白かった。

 

あと、ゲントによる人命救助が描かれたのが良かった。ゲントとブレーザーは命を救いたいようだけど、本作は防衛隊や怪獣の描写に時間を割くあまり守られるべき一般人の描写がかなり少ない。第2話の漁師はギャグ感が強いし。

ただ人命救助のシーン入れたいなら「大気汚染で住民が避難」という状況設定はどうなのとか、そこに残ったマスコミは自業自得なんじゃないかとか思うことはあるけど。シーン自体はかっこよく、観たかったものが観られて満足。

TVカメラに映ったことで、ゲントが実働部隊にいることが家族にバレて問題になるかと思いきやジュンが喜んだので結果オーライでした。第10話の時もだが、変に不穏な空気を残すより和やかな雰囲気で気持ちよく終わらせるのは越監督の良いところだと思う。

サトコがゲントを責めないのが良かった。10話時点では「うすうす気づいている」くらいだと思ったが、むしろ実状はどうあれ息子が最優先というスタンスのようで、母親として強い芯を持っていて良い意味で印象を裏切られた。

 

特撮に関してはまず、戦車がカメラに映ったままTVクルーの所に落ちてくるシーンが良かった。あの戦車、どう見てもXIGのシーガルファントップだよな…。本作はところどころ『ガイア』っぽい要素あるけど、ここまで露骨なのもありなのね。

あと、第10話といい越監督はブレーザーの「威嚇」を律義に忘れず描いてくれる。チルソナイトソードを構える時の、下から見上げる構図も良い。第9話でも越監督は見上げる構図をやってて、ウルトラマンらしい巨大感や起伏の多い身体の陰影が際立って個人的に好き。

そして今回アースガロンはブレーザーの拘束を解き、自身もイルーゴを1匹撃破する大活躍。乗員二人の叫びも自爆覚悟のテールVLSで脱出した興奮状態だと考えればそこまで不自然ではない。一方的にアシストする/される関係だった今までと違って、連携を取って互いをアシストした結果、アースガロンに初白星が付くのも、本作が掲げる「コミュニケーション」というテーマに沿った理屈で非常に良い。

 

おいしい部分は次週に持ち越しつつも、救助シーンやゲントの家族関係改善、アースガロン初勝利など、単発としての見所も多い回だった。

私が本作にずっと感じている問題として、新規怪獣にスポットを当てるあまり、ニュージェネ以降最も充実した防衛隊とオリジナルのロボット怪獣であるアースガロン、そういった防衛隊が設立される世界設定、あるいは「命を守る」というゲント/ブレーザーの姿勢といった、怪獣以外の面での特徴を活かしきれていないということがある。

その点、第10話や今回の越監督は本作の魅力をよく引き出していると感じて、個人的に一番推せる監督。パワーアップ回となる次回でも、存分にその腕を振るってほしい。