お前も茶漬けにしてやろうか!-茶柱の人生丸茶漬け-

自分の偏った趣味についての、その時思った感想置き場

『ドクターストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』雑感

 初めまして、茶柱と申します。

ヒーロー作品への愛や感想を書いていきます。

頭の中でぐるぐる考えたことを出力する書置きとして使うので、体裁はあまり気にしない。見る人が出てきたらその時に考える。

そんな目的のブログなので、基本的にネタバレ全開なので注意。

 

 初投稿は先日公開した『ドクターストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の感想。ファンサービスを期待させる事前情報とは裏腹に、単体のアトラクション映画として相当に楽しめた。逆にファンサービス、特にイルミナティはどちらかというと余計に感じた。

 

ヒーロー映画として

 今作では自己完結で他者を犠牲にするやつはダメで、強大な力を持っていようと他者を頼るべき、ということが一貫して提示される。今作はストレンジがその基準に合格し、ヒーローとして成長する物語だ。ワンダはストレンジと紙一重に描かれているものの、犠牲を顧みずすべてを一人でなそうとするが故に悪役になってしまったんだろう。

 

ワンダの扱い

 ワンダの扱いはかなり残酷だと思う。そもそもワンダは頼るべき他者であるヴィジョンを失い、孤独を埋めるためにワンダヴィジョンから暴走を続けているわけで、他者を求めてはいるはずだ。当人の意識よりも元々仲間がいたかどうかが両者の決定的な差に見える。強引だけど、バートンなり新ヴィジョンやそれこそストレンジを頼るという選択をせず、ある意味自分の思い通りになる子供だけを求め続けるのがワンダのまずい所なのか。

 

アトラクション映画

 本作は派手な映像や過激な描写、物語展開の意外さで楽しむ映画そしての側面が強い。劇中でアメリカが言う鉄則の通り、舞台となるマルチバースが「なんでもあり」で整合性などどこ吹く風といった感じ。今日では陳腐化してしたタイムトラベルもののかつての楽しみ方に近いように思う。

 

なんでもあり

 今作は既存のMCU作品では珍しかったことが軽率に起こる。顕著なのが人死にの多さとその描写の凄惨さ。ザ・スーサイド・スクワッドっぽい。それを演出してるのはマルチバースよりは魔術だけども。アニメとかペンキとかの世界の演出はよかったけど、あの一回しかないのが勿体ない。どうせチャベスに戦わせるならもう一回ジェットコースターしてくれてもよかったんじゃないかな。

 

イルミナティ

 パトリック・スチュワートを登場させて予想通りイルミナティを登場させた割にはほとんど顔見せ程度で死んでいった。正直出したこと自体が間違いだと思ってるから扱いの悪さは個人的には気にならない。

 マルチバースだからこんなこともあり、を示すとともにこれはなしってメタ的な事情が見え隠れするのが居心地悪かった。引退したトニーとスティーブ、今後があるキャロルは出さない。でも他社で引退したエグゼビアは出しますって、X-MENシリーズ蔑ろにしてるだろ。

 

まとめ

 マルチバースを免罪符にしたキャラクターの扱いの雑ながら、ちゃんと見られるどころか相当に楽しい映画に仕上がっているという何とも歪な作品。サム・ライミありがとう。今後はもう少しちゃんと役割のあるゲストキャラクターの選定を追求してほしいな。